「生殖可能年齢の男女が妊娠希望し、避妊せずに通常の性交を継続的におこなっているにもかかわらず、妊娠が成立をみない場合」を不妊と定義しています。
不妊の原因は決して女性だけにあるのではなく、男女半々くらいにその原因があると考えられています。また妊娠しない理由は多岐にわたって重なっていることが多く、原因解明まで時間と心に負担がかかることも多いです。
当クリニックでは患者さまのペースやメンタルケアを大切にしながら、ご妊娠、ご出産に至るまで、長期的なサポートをさせていただきます。
不妊の原因
女性側
- 卵管障害
- 卵管が詰まったり細くなっていたりすることにより、受精ができないケースです。
クラミジアなどの性感染症や子宮内膜症が原因で起こると言われます。
- 排卵障害
- 何らかの原因で、卵胞の発育がなかったり、排卵ができないケースです。
- 子宮異常
- 受精卵がうまく着床できなかったり、着床しても流産する場合があります。
子宮筋腫、子宮内膜症、子宮の形態異常なども原因となる場合があります。
男性側
- 性交障害
- 男性器の機能の問題により、性交、射精にいたらないケースです。
- 精子異常
- 精子数が少ない、運動率が低い、奇形が多い、精子が作られないなどが原因です。
様々な原因により、精巣の機能が低下することがあります。
- 上記のほか、現在の医学では原因が分からない「機能性不妊症」も男女双方に存在します。
不妊治療では、スクリーニング検査と呼ばれるいくつかの検査を経て、原因を確認します。原因に合わせて最適な治療を行っていきますが、お身体やお仕事、またはご家庭のご事情を考慮したうえ、治療方針を立てさせていただきます。
不妊スクリーニング検査
基礎体温の測定
排卵の有無や排卵時期を予想することができます。
内診と経腟超音波検査
卵胞、子宮内膜の発育、子宮筋腫や卵巣嚢腫などの疾患の有無を観察し、排卵日の予測、排卵後の黄体化確認などを行います。
血液検査
クラジミアなどの感染症の有無、血液凝固機能を検査します。
ホルモン値測定
LH、FSH、エストロゲンまたはプロゲステロン(排卵期により異なります)、プロラクチン、甲状腺機能検査、抗ミューラー管ホルモン(AMH)などを測定します。
卵管通水検査
子宮口から生理食塩水を子宮内へ注入し、卵管通過性を確認します。
月経終了後~月経10日目に行います。
精液検査
精子量、精子の数、運動率、奇形率をチェックします。
治療スケジュール
- 不妊症検査は月経周期の特定の時期に行うものが多いため、すべてのスクリーニング検査が終了するまでに最短1か月、最長数か月かかる可能性があります。
治療方法
タイミング法
卵胞計測を行い、排卵の時期を予測し、性交渉の日程をアドバイスする方法です。一般には、排卵前に性交の日数が多い方が妊娠率が高いと言われています。
人工授精(AIH)
排卵期に合わせ、お預かりした精子を洗浄し、子宮内に注入する方法です。
排卵誘発法
- クロミッド(クロミフェン)/卵胞発育を刺激するため月経開始2~5日目より約5日間、1日1~2錠内服します
- hMG/卵胞発育を刺激するために、連日または指定した方法で注射します
- hCG/排卵期に排卵を促す注射を行います
- デュファストン/排卵後、黄体ホルモンを補充する目的で必要に応じ内服します
治療費用
妊娠反応 | ¥3,000 |
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初回ホルモン検査 | ¥3,230 ※ |
AMH検査U卵巣年齢・卵巣予備能検査) | ¥2,740-3,210程度 |
卵管通水検査 | ¥8,000(自費) |
LHチェック(排卵日特定検査) | ¥710 ※ |
人工授精 | ¥5,700 |
クロミッド | 1日2錠5日間 ¥600-710程度 ※ |
デュファストン | 1日3錠7日間 ¥600程度 ※ |
hMG 75 | ¥780程度/1本 ※ |
hCG 5000単位 | ¥850程度/1本 ※ |
精液検査 | ¥710程度 |
- 保険適応(3割負担)の場合の参考費用になります。
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